映画:「モーリス」感想

 お久しぶりです。何事です。
 久々にブログを書こうと思って管理ページを開いた所、一年近く更新が無いにも関わらずコンスタントに人が見に来ているらしく非常にありがたいなと思ったと同時になんだか少し申し訳ない気持ちになりました。ごめんね。

 さて。
 本日は映画「モーリス」を見た感想を書こうと思います。
 この作品、色々な事情があって一切の面識が無い「友人の上司(男性)」に、友人を介して勧めていただいたという非常に面白い状況もあって、勧められた直近の休日に腰を据えて視聴しました。

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プーさんのグラスとクイルの皿。

 

 おかげで、お気に入りのグラスでコーヒーを飲みながらポップコーンを食べ、映画を見ると言う優雅な休日が実現出来て最高にハッピー。

 PrimeVideoにて400円でレンタルが出来たので、最近作ったばかりでまだ使ったことの無かったデビットカードを試してみました。本当に買えて感動。いや、当たり前なんだけど。
 ここ最近は家から一歩も出なくてもこうやって見たいものがレンタルが出来てしまう世の中で、非常にありがたいですよね。

 以下、映画を未視聴の方はネタバレを含みますのでお気を付けて。

 

 

 

 

 

 モーリスは1909年から数年間のイギリスが舞台の、同性愛について美しく描いた作品です。
 主演の俳優さん、三人とも顔が整っておりかっこよかった。個人的に一番好みの顔をしていたのはクライヴ役のヒュー・グラントさん。鼻が綺麗な形をしててとてもGOOD。垂れ目が好きなのでそこも惹かれました。
 舞台がイギリスですから、当然殆どの男性キャラクターが三つ揃えのスーツを着ており、スーツ好きとしては眼福です。あとみんな恐ろしくスタイルが良い。
映画の雰囲気が全体的に耽美なものだった為か、街並みも含めて非常に美しく繊細な舞台選びをしており、一枚一枚のカットが絵になるものだったのが印象的。アクション映画とかヒーローものばかり見ている私が普段見ないタイプの映画でしたので、凄く楽しめました。
 演出も素晴らしく、台詞以外の場所で気持ちを描写する繊細な表現がとても良かったです。個人的には一番最初の少年時代のシーンで主人公だけ帽子が風で飛ぶ演出が、この映画のテーマで(だと思う)異端を表す伏線にもなっているのかなと思うと良い演出だなと思います。それに加えて作中でブロンドの髪をした男性は主人公のモーリスだけでしたので、それも人との違いを演出していたのかな。人の顔を覚えるのが苦手なので、「主人公、ブロンド」って覚えればいいだけなのはとても助かった。

 全体を通して思ったのは

「この時代のイギリスの文化、私全く知らねえわ……」

 です。最近シャーロック・ホームズの原作を読んでいるので、時代背景としてはかなり近いと思うんですが、やっぱ映像で見るのと文字で読むのじゃ全然違うね……。
この時代の英国紳士は、長男同士が仲良しであればこんなにも家族ぐるみの付き合いになって、ほとんど住み込みで一緒に過ごすってのはそんなに不自然な事ではないのだろうか。貴族故の生活だろうか。どうなんだろう?
 イギリスの同性愛が犯罪になった時代背景についても書かれた論文の一部を斜め読みした感じだと、1885年に起こった社会運動の「社会純潔運動」で、当時社会問題であった少女/少年の売春行為を罰する法律が出来たのと同時に、男性同士の性的な行為/またはそれを匂わせる行為も罰することが正当化されてしまったような感じっぽかった。とはいっても私は詳しくないので、ブログの最後に読んだ論文を張っておくので気になる方はそちらを読んでください。
 同性愛にかなり厳しかった時期の同性愛者のお話しなのかなーと。いや、厳しいどころかもう「犯罪」だから周りの目が気になる気にならない以前にばれたら人生お終いだったのだと思うと不憫でならない。

 さて、やっとストーリーについて触れます。
 面白かったです。
 商業BLの王道、少女漫画の鉄板。恋愛ものとしての基礎がしっかりしてて凄く安心して見れました。
 中盤から終盤にかけてのハラハラドキドキは、恋愛ものの醍醐味を久々に味わった感じがしました。ほら、最近私が好きになるカップリングってあんま恋してないからさ……。
 彼らのこれからの人生絶対辛いと思うので、手放しに「よかったね!」と言えるラストでは無かったですが、とりあえず愛は通じ合ってよかったね。
 正直、クライヴこの野郎……!!!と思いながら見ていましたが、時代背景を考えるとそれも強く言えないよね。一回しか見てないのでちゃんと理解してないかもなんですが、裁判官としてのキャリアは諦めた(恐ろしくて逃げた)という事でいいのかな。そりゃ裁けないよなあ。自分がかつてしていたのと同じ形の恋をしている人を「罪」と言うのは辛すぎるでしょ。
 万が一、モーリスが捕まってしまったとして、自分が裁かないといけない状況に置かれたらそれほど辛い事はないでしょうし。結局クライヴもモーリスに対する恋引きずってたしなあ。親友として自分の傍に繋ぎとめておきたかったのかもしれないと思うと哀れで悲しい。

 あとこれは戯言なんですが、ラストシーンで船着き小屋へ行ったモーリスを見て瞬時に「ここで!?ここでセックスするつもりだったの!?流石に汚くない!?衛生的に大丈夫!?っていうか水に落ちない!?」と心配しましたが、奥に管理小屋みたいなのがあって、そこにベッドがあるのを見てとても安心しました。よかった。
 イギリス映画だからなのか、映画がつくられた時期的に大丈夫だったのか、イケメンのおちんちんがぼろんぼろん出てきてびっくりしました。ああ、そんなに見せてくれるんだ……。って思った。

 以上、モーリスの感想でした。
 私が見たのは字幕版でしたが、どうもスペシャル企画として人気イケメン声優さんたちが吹き替えしているものあるようで、調べてみたところ映画専門チャンネルムービープラスにて本日(2019/9/3)の16時から放送するようです。すげータイムリーですね。

 久々に映画の感想を書きましたが、映画の内容を反芻するのが非常に楽しかったので、またやりたいなあ。

 

 

私が参考にした論文です。ちゃんと読んでないのでそのうちしっかりと読みたい。
>イギリスにおける「同性愛」の脱犯罪化とその歴史的背景

 

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